#45
#45

唯一無二。私だけの帽子。
近江八幡市「ワンミリオンキャット」

第45回
オーダーメイドハット「ワンミリオンキャット」


誰もが、まるで雑誌モデルに。そんなお洒落アイテムが帽子。サイズがぴったりの自分らしい帽子を身につければ、毎日がいま以上に楽しくなるはず。
Good Sign第45回は、オーダーメイド帽子店の誕生までの物語を通して、オーダーメイド帽子の魅力を考えます。

ぴったりの帽子は大切な宝物に

オーダーメイドの帽子
オーダーメイドの帽子

 既製品があふれているいま、「オーダーメイド」といえば、奮発して手に入れる特別なものといったイメージがあります。ちょっと敷居が高いものの、一度あつらえれば手ばなせないお気に入りになるとか。

 帽子もそうしたアイテムのひとつ。滋賀県内でも珍しい帽子のセミオーダー屋さん「One million cat(ワンミリオンキャット)」の髙木美奈子さんは、それまで帽子と距離のあった人ほどハマると語ります。
 
 「帽子をふだん使いできない人が多いのは、照れがいちばん大きく、サイズが合う市販品が見つからないのも理由。ここにはサイズもそろっているので、かぶってみると『あれ? 意外にイケるやん』と思われる方が多くて。要は、自分が見慣れるか見慣れないかなんですね」

 これまで製作した帽子は、1,400個近く。年1個のペースで購入したり、十数個オーダーしたりというリピーターも少なくなく、帽子好きが増えたという手応えを感じています。

 「やはり自分のサイズに合った帽子の気持ちよさを一度知ってしまうと、『もうひとつ作ろうか』『次はこんな形にしたい』と思っていただけるみたいです。店にあるサンプルを購入される場合でも、せっかくだから自分らしさをと『つば裏の色を変えたい』『裏地だけでも自分好みに』という方も。いま、世の中には安いものがあふれていますが、自分らしいもの、とても大切にできる自分だけの宝物をここで楽しんでいただけたらいいですね」

仕上がっていく過程がもの作りの魅力

近江八幡市のびわ湖
近江八幡市のびわ湖

 ワンミリオンキャットは、近江八幡市と野洲市の境を流れる日野川のほとりにあります。オープンは、2019年9月。店名は、ロングセラーの絵本『100万回生きたねこ』(佐野洋子作・絵/講談社)が由来です。

 「100万回生き返るねこが、最後に自分だけの大切な伴侶を見つけて旅立つというストーリーになぞらえ、いろいろな方にその人だけの帽子を見つけられたらな、という気持ちを込めて名づけました」

 髙木さんが、帽子を作り始めたのは10年ほど前。結婚を機に、デザイナーとして勤めていた大阪のアパレルブランドを退職し、地元滋賀に戻ったのがきっかけでした。

 「何か始めたいと考え、ひらめいたのが、ふだんから好きでよく身につけている帽子を作ることでした。小さいころ、祖母によく編み物や折り紙を教えてもらったことがとても楽しく、その影響か、作ったり縫ったり、それにお洒落も大好き。いまも縫っていてカタチになっていく過程がすごく楽しいですね」髙木さんは、3人の子どもがいるお母さんでもあり、子育てや家事でも大忙し。家庭と仕事を両立できている理由は、時間のやりくりといった努力とともに、店の立地にもあります。

 「子どもがいるから家の近くで仕事ができて、ときには家のこともしたり、子どもが行き来したりと、いちばん自分が楽しめる贅沢な場所と考えたら、やはり自宅近くに店舗というのが理想的でした。立地的にちょっと隠れ家風になるのも、おもしろいかなと。子育てとは違うフィールドを楽しめて、恵まれていると感じています」

形や生地の色柄も相談しながら

ワンミリオンキャットの店内
ワンミリオンキャットの店内

 帽子の形は、さまざまあります。基本は、ハットやハンチング、キャスケット、ベレー、ワークキャップがおなじみですが、ハット帽だけでもつばが長い・短い、トップが高い・低いなど細分化すれば20余りも。だからこそ自分の輪郭に合う形を見つけるのが大切で、人それぞれ肌色も違うため、自分が引き立つ色柄選びもポイントに。ワンミリオンキャットなら髙木さんに相談できるのもうれしいところです。

 「面長にはこういう形といったセオリーはありますが、かぶってみて雰囲気を見るのがいちばん。うちでは、毎シーズン提案する形をベースに、実際にいろいろなサンプルを試してもらってから、パーツごとの生地や色を選びます。顔映りを考えて顔周りの色は明るく、特徴のある生地を使って個性を出すなど、話をしてから製作に入っています」

 サイズも形もぴったりで、ハイセンスなデザインならサッとかぶるだけで、お洒落の上級者に。帽子好きならずとも、「帽子は似合わない」と思い込んでいる人にこそ、足を延ばしてほしいものです。

 公式サイトにも商品が多数。人気のためSOLD OUTが多いものの、オリジナリティあふれるものばかりで、見るだけで仕上がりのイメージが湧きます。価格は、種類によりますが8,300円(税抜)から、オーダーのタイミングによって在庫生地の種類が変わります。

洋服と同じ感覚でふだん使いを

高木さん
高木さん

 髙木さんのお子さんたちも、お母さん手作りの帽子が大好きなように、高木さんの帽子は、世代問わず楽しめるのも魅力。家族への贈りものに、と訪れる人も少なくありません。

 「お孫さんへのプレゼントや、ご出産お祝いということで1歳のお子さまにかぶっていただいたことも。90歳の女性のお客さまが60代のお子さん2人や20代のお孫さんと来店され、みなさんそれぞれひとつ選んでくださったときは、とてもうれしかったですね。小さなお店でも幅広い世代の方に楽しんでもらえて、これまでやってきてよかったと。家族みんなで楽しんでいただけるお店かもしれないです」

 「手持ちの洋服に合わないかも」と悩む人も多いようですが、意外にどんな洋服とも相性がよく、万能。Tシャツとデニムに帽子を合わせるだけでも、センスよく見えるといいます。最近増えている和服とのコラボなど、帽子の新たな可能性も提案していきたいとか。

 「お洋服の感覚で帽子も、と思っていただけたら。お洋服をたくさん持っているように、それに合わせて帽子もという軽い感覚でふだん使いしてもらえたらいいですね。オンとオフの切りかえにもなるのかなと。出かけるとき、玄関で『今日はコレかな』とか、最後の仕上げとして、テンションを上げるスイッチのように使っていただけるとうれしいです」

 洋服のように、アクセサリーのように選ぶ自分好みの帽子。それは、お洒落ゴコロを映すバロメーター。さぁ、自分だけの帽子をかぶって、出かけてみませんか。

One million cat

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One million cat 公式サイト
https://onemillionca.thebase.in/

One million cat ブログ
https://blog.goo.ne.jp/onemillioncat